調剤併設型ドラッグストア勤務、ひよっこ薬剤師のメモ帳!

薬剤師国家試験に向けた勉強方法や就職に役立つ情報を提供!

<化学> 第101回薬剤師国家試験 必須 問9

 

 

こんにちは、ひよっこ薬剤師です。

 

 

実習に来ている学生から、

過去問集の解説だけでは周辺の知識がなく理解しにくいところがある!!、という相談を受けたことがきっかけで、自分なりに解答への道のりや周辺知識をまとめてみようと進めている企画です。

 

 

今回の問題も、構造がズラッと並んでいるおります。

 

化学に苦手意識がある方にとっては見た瞬間億劫になってしまうかもしれません。

 

ですが、反応を問われている訳ではないく、ポイントを抑えていれば比較的簡単に答えを導くことができることでしょう。

 

今後も似たような問題は問われる可能性が高いため、ポイント整理をしておく必要があります!

 

 

では、さっそくどのような問題か見ていきましょう🤓!

 

 

目次

~ 第101回薬剤師国家試験 問9 ~

f:id:ytrt-tera:20190623012100j:image

今回は、シクロヘキサンの構造に関しての問題です。

 

 

問題を解くにあたり、基本情報をまとめていきます!

 

 

~ シクロヘキサンの構造 ~

有機化学を勉強し始めた方であれば、“シクロヘキサン”は名前から六角形であることがわかります。

 

ですが、ベンゼンのような平面の六角形ではなく、炭素が同一平面からずれた形をしています。

 

ずれた形というのが、各角度がsp3混成軌道の理想的な角度である109.5°を保っている状態です。(いす形配座)

 

 

~ シクロヘキサンの立体配座 ~

~ いす形配座と舟形配座 ~

シクロヘキサンは、環状化合物であるため単結合は自由に回転できないが、ある程度は回転できるため1つの配座に固定されているわけではありません。

 

いす形配座舟形配座といわれる2つの状態を行き来しながら存在しています。

 

 

しかし、どちらの形も安定な状態というわけではありません!

 


f:id:ytrt-tera:20190623183824j:image
オレンジで示した水素Hは、左右で同じ炭素についているものです。

 

いす形配座は正反対の場所にHがあり、全くぶつかること無いです。

 

一方、舟形配座では近くにHがあり、お互いに反発しあうことになります。

 

よって...

 

いす形配座 →立体ひずみが無く、安定

舟形配座     →立体ひずみが有り、不安定

 

ということになります。

 

また、物質は安定を求める傾向が強く、いす形配座で存在することが多いでしょう。

 

 

~ いす形配座における結合の種類 ~

シクロヘキサンのいす形配座における垂直方向の結合をaxial(アキシアル)結合、水平方向の結合をequatorial(エクアトリアル)結合といいます。

 

 

で塗りつぶされている線(結合)がアキシアル結合です。
f:id:ytrt-tera:20190623183841j:image

 

一方、で塗りつぶされている線(結合)はエクアトリアル結合で。f:id:ytrt-tera:20190623183954j:image

 

 

~ シクロヘキサンの環反転 ~

シクロヘキサンは環反転というものが可能です。

 

環反転することで、アキシアル位とエクアトリアル位が互いに入れ替わります。

f:id:ytrt-tera:20190623190552j:image

このことも問題を考える上で必要な知識です。 

 

 

ここでワンポイントアドバイス!

環反転時、アキシアル位,エクアトリアル位に関係なく上向きに付いているものは、反転後も上向きに付きます!

(下向きに付いているものは環反転後も下向き)

 

上の図でも、左のHaはアキシアル位の上向きで存在しており、右へ環反転させるとエクアトリアル位で上向きになっております。

 

 

 

このシクロヘキサンのHが何か別の物に置換した場合、その置換基がアキシアル位に結合した方が安定なのか、それともエクアトリアル位に結合した方が安定なのか...

 

次にそれをまとめていきます。

~ 置換シクロヘキサンの安定性 ~

次に、1つのHがメチルCH3に置き換わった場合の安定性をみてみましょう!


f:id:ytrt-tera:20190623193029j:image

アキシアル位にCH3が付いている右の状態は、2こ隣に存在するHと立体的に反発し合います。

 

先ほど学んだ環反転をし、左の状態にしてみます。

 

左の状態だと、エクアトリアル位にCH3があり、先ほどと同じ場所に存在するHとの影響は最小限になっているのがわかりますでしょうか?

 

 

このように、かさ高い置換基がエクアトリアル位にあるものの方が安定!!と覚えましょう。

 

 

もしHが2つ別々の置換基に置き換わっていた場合でも同じことです。

 

 

よりかさ高いものがエクアトリアル位にある状態が安定となります。

2つとも同じ置換基であれば、共にエクアトリアル位をとれる状態であればそれが一番安定です。

 

 

~ 解答 ~

問題を解くにあたり、覚えておくと便利なコツがもう1つあります。

 

 

それは、アキシアル、エクアトリアル位関係なく、

 

破線で描かれているものは、    下向き

くさびで描かれているものは、上向き

 

 

このことを覚えておくと今後似たような問題を解くときに便利です!

 

実際に問題を考えていきましょう。

 

先ほど述べた、破線は下向き、くさびは上向きの状態をとる、を前提で選択肢を見ていきます。

f:id:ytrt-tera:20190623212436j:image

くさびで描かれているCH3があります。

 

よって、1つは上向きに付いている必要があり、それは赤で囲んだ1~3が該当します。

 

もう一方の破線で描かれているCH3は、1~5全てが該当します。

 

よって、1~3のどれかが正しいとこの時点で絞ることができます。

 

 

これまでに学んだ、かさ高い置換基が共にエクアトリアル位をとれる場合、その状態が最も安定な状態という条件から更に選択肢を絞ります。

 

CH3の2つが共にエクアトリアル位に存在する選択肢が1つ発見できます。

 

 

そうです、1.が最も安定な立体配座です!

 

 

~ まとめ ~

・シクロヘキサンは、いす形配座が安定!

・置換基が付いている場合、よりかさ高い置換基がエクアトリアル位にある方がより安定!

・破線は下向き、くさびは上向きの結合!